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(2012年3月)
モバイルアプリのグローバル販売総額は2015年までに160億ドルに達する見込み

Futuresource Consultingの最新市場レポートによれば、モバイルアプリ市場はここ2年で大きな進化を遂げ、携帯電話用コンテンツの充実や質の向上を促している のみならず、あらゆるビジネスにおいてターゲット・オーディエンスに接近する新しい活路を開拓してきている。

2011年のアプリ市場は、グローバル総計で約45億ドルに達し、前年の倍近い伸びとなった。ダウンロード数では前年比130%に迫り、無料アプリ の増数を反映した目覚しい伸びを見せた。スマートフォンの需要は世界的に加速の一途を辿っていることから、アプリ市場の今後にも継続した成長が期待され る。使用されているスマートフォン台数は、2010年の5億7600万台から、2011年末には8億7400万台へと伸びている。更なるビジネスチャンス となるタブレットPCの需要はより顕著な伸びを見せてはいるが、所有台数の比較においては依然スマートフォンに大きく引き離されている。

Android が台頭してきてはいるものの、引き続き市場を牽引しているのはAppleで、2011年のアプリダウンロード総数のほぼ半数を占めた。ダウンロード数は、 2015年までに740億回に達すると見込まれており、これは販売総額160億ドルに相当する。お気に入りの利用回数の多いアプリからなる各人のコア・ラ イブラリーが一旦確立すれば、購入率は減少するであろう。

2012年3月現在、全プラットフォームで利用可能なアプリは約120万存在すると推定されている。今、誰もが精力を傾注しているのはアプリの収益 化で、有料ダウンロード、課金システム、広告料から収入を得るビジネスモデルは進化し続けてはいるが、コンテンツとその開発費にかなりの投資を行っている パブリシャーにとっては、有料ダウンロードが唯一のオプションと言える。短期間の価格キャンペーンを行っているケースも多く、低価格で関心を引き、「ラン キング・トップ」に上り詰めることで宣伝力を増し、その結果ダウンロード数の増加へと繋げている。

多くの企業やブランドにとって、アプリは重要なマーケティング・ツールで、ウェブサイトやオンライン・サービスへのアクセスを広める手段としても使 われている。 2012年の動向としては、個人をターゲットにしたアプリに加え、企業をターゲットにした専門的分野でのアプリが市場に出回ると思われる。

ユーザー数が多いという理由で、広告主は引き続きAppleとAndroidプラットフォームに焦点を絞るであろう。2011年末では、5億台以上 のAppleとAndroidデバイスが使用されていた。一番人気はゲーム・アプリで、ゲームの金額シェアは約50%であった。既に人気のアプリを持つ ゲーム・パブリッシャーは、アプリのフランチャイズ拡張を継続して行い、専門分野を扱ったパブリシャーは、「アングリーバード」の成功に続くフランチャイ ズ提供を狙っている。

ゲーム・パブリッシャーにとって、タブレットPCが、既に次なる大きなビジネスチャンスとなってはいるが、従来のパッケージ・ゲームに比べ低価格であるアプリは、多くの場合マージンが低く設定されており、ゲーム業界全体として開発コストを安価に抑えることが必須と言える。


ホームエンターテイメント市場内の動き

景気低迷の折ながら、ホームエンターメイントの世界市場は、ハードウェアとコンテンツ両部門においてまずまずの業績を保った。2011年は厳しい年ではあったが、他の部門との比較においては好調であったと言えよう。

TVの売り上げは若干減少したものの、タブレット・Blu-rayプレーヤー・スマートフォンは順調な伸びを見せた。

コンテンツでは、パッケージメディアは約5%減となったが、オンラインでの売り上げは前年比3分の1以上の伸びを見せた。しかしながら、総額に占めるオンライン収益はわずかなもので、全体としての成長を促すには及ばなかった。

着目すべきは、コンテンツに費やされている金額よりも、「どのように」「どこで」「いつ」楽しまれているかという動向に劇的な変化が起こっていることである。

新しいハードウェアやサービスの提供、そして広範囲でインターネット接続が可能になってきていることで、消費者の動向に急速な変化が起こっている。Futuresourceでは、米・英・仏・独での消費者動向調査を定期的に実施し市場の変化を追っている。

変化の最大要因は、所有するインターネット接続デバイスの数が増えていることである。一度に一つのデバイスだけを使用するという制約には縛られない傾向も顕著になってきている。これは主に携帯電話とタブレットによる波及効果だが、ラップトップPCなども影響している。

最新の調査で目を引くのは、英国では半数以上が何らかの動画コンテンツをオンラインで楽しんでおり、4分の1以上は「少なくとも時折」携帯電話で動画を視聴しているという実態である。

どのデバイスにおいても、YouTubeのような動画投稿サイトが最も人気で、全体的傾向として、映画やTV番組はタブレットで、ミュージック ビデオ・ニュース・スポーツはスマートフォンで楽しまれている。

どうしてオンラインで視聴するのかという問いには、「充実したコンテンツ」「選べる視聴環境」が主な答えとなっている。英国では、BBC iPlayerが縛られない視聴に大きく貢献しており、SkyGoも携帯電話をはじめとした携帯デバイスでの視聴を促している。

インターネットTVの開発で大画面での視聴が可能となり、オンラインコンテンツサービス成長の妨げになるであろうと最も危惧されていた障害の一つが 取り除かれた。英国では、人気アプリがインターネットTVによるiPlayer視聴を促しており、60%近くのインターネットTV利用者がオンデマンド (catch-up)でBBCの番組を楽しんでいる。

今、注目を集めているのは、2番目のスクリーンである。 消費者は、複数のデバイスを使い効率的に視聴を楽しんでいる。TV画面では映画を鑑賞しながら、iPad・携帯電話・ラップトップPCでは、 Facebookやスポーツのハイライトにアクセスしているのである。調査の全回答者の半数近くは、主に退屈防止にTVを見ながら別のデバイスを使ってい る。セカンド デバイスを使う理由として、「番組に参加していると感じたいから」と答えている人たちがいることは興味深い。この割合は現在10%と少ないながらも、今 後、ライブでの投票やソーシャルネットワークシステムを利用した番組が市場牽引の一役を担うかもしれない。

いつでもどこでも視聴できるという特性により、異なったデバイスやプラットフォームで楽しめる幅広いジャンルのビデオエンターテイメントへの関心が 高まっている。インターネット接続デバイスの所有者が増えていることで視聴機会が広まっており、オンデマンドTVを含めた動画配信サービスの需要増を促し ている。自宅そして移動中の人々の興味をいかに引くかという競争が今までになく激しくなってきている。

セカンド デバイス、ハードディスクドライブの利用、オンデマンドTV視聴というトレンドは、とりもなおさず、広告主にとっては、視聴者の注意を惹きつけるためにより一層斬新なアプローチが必要となることを意味している。


(2012年2月)
インターネットTV、2015年までにグローバルTV出荷数の大半を占める見込み

Futuresource Consultingの新レポートによれば、2011年に27%であったインターネットTVのグローバル出荷数シェアは、2015年までに80%を超える 見込みである。市場をリードしているのは日本で、2011年総出荷数の59%にIP接続が標準機能として搭載されている。販売台数において、アメリカ・中 国での普及率は29%、ヨーロッパでは24%となっている。

インターネットTVの需要が勢いを得ていることに応え、大手メーカーは、IP接続を標準 機能としたTV製造を進めており、総生産数の60% ~ 80%を占めている。これに加え、Wi-Fi組み込みがTVに進化をもたらすと期待されており、インターネット接続が容易にできるよう、多くのプレミアム モデルにはこの機能が搭載されている

グローバルにみて、先進国は飽和状態に向かっており、一般消費者向けTVの世界市場を牽引するのは新興国である。ブラジルでは40%、インドでは86%の成長率が期待されている。

今後、LED(発光ダイオード)TVの出荷が市場を占め、2015年までに90%のグローバルシェアとなる見込み。LCD(液晶)・PDP(プラズ マ)・CRT(ブラウン管)といったディスプレイ技術は低迷すると思われる。一方、現在スマートフォンに利用されているOLED(有機EL)は、2015 年までのTV開発の上で欠かせない技術となるであろう。マーケットリーダーであるSamsungとLGは、既に今年OLEDの新機種を発表予定である。

モデル数の増加と価格の低下が、グローバルな3DTV出荷数増につながってきている。2011年の総出荷数は1600万台となる見込み。2015年のマーケットシェアは50%と予測。

3DTV市場成長の主要因の一つとして、高性能な機種にアップグレードの際、3D機能搭載に気付かずに商品を購入しているケースが多いことがあげられる。


フィジカルからデジタルへ:ホームオーディオ市場に革命をもたらすネットワークシステム

Futuresource Consultingは、2014年までに、アメリカ・西ヨーロッパ・日本におけるホームオーディオ総出荷数の60%がネットワーク対応になると予測して いる。ネットワークシステムの急成長により2012年の10%の予測から大幅な伸びを見せると思われる。

2011年のミュージックディスクの最終売り上げは140億ドルとなり、オンラインでの売り上げ60億ドルの倍以上の金額となる見通しであるが、オ ンライン革命は多くの支持を得ており、パッケージメディアの販売は減速傾向にある。2015年にかけての予測では、オンライン市場は成長するものの、パッ ケージメディアの収益減を相殺するまでには及ばない。

ハードウエアの出荷数においては、ドックスピーカーがホームオーディオ市場を独占しており、2011年の総計では市場の約60%を占める見込みである。しかしながら、iPod市場の成熟に伴い、iPod用ドックスピーカーの需要も成熟期に向かうと思われる。

一方、iPhone と iPadの販売は右肩上がりで、ネットワーク対応スピーカーの需要に拍車を掛けている。有料音楽配信サービスやインターネットラジオもネットワークシステ ム利用を促す要因となっており、Wi-Fi対応デバイスでは、ハードウエアの搭載機能に頼らず、インストールしたアプリから直接音楽をストリーミングでき るという利点がある。

また、ワイヤレスでiTunesからオーディオデバイスに接続できるApple Airplayが、ネットワーク接続への関心を広める引き金となっている。これに対し、競合各社も、スピーカーにデバイス本体を接続させるのではなく、独 自のネットワーク対応商品開発の必要性を念頭におき商戦に臨んでいる。特にAndroidデバイスを対象としたBluetooth等の付加技術は、今後よ り重要な役割を果たすことになろう。複数の接続デバイスを介して、より多くの人が直接インターネットからコンテンツのストリーミングを行うようになれば、 その結果としてオーディオのマルチルーム(複数室)化が進むと期待される。


(2012年1月)
教育関連PC出荷数28%の伸びへ

London, 2012年1月5日- Futuresource Consultingは、K-12(幼稚園Kindergartenから高校卒業までの13年間の教育期間) におけるPC市場の展望に焦点を絞った戦略的研究レポートを発刊。教育関連PC出荷数 2011年〜2016年複合年間成長率(CAGR)を28%としている。


世界のPC市場は伸び悩んでおり、企業や一般消費者向けPCで収益を維持することは困難になってきている。しかしながら、教育界はこれに反し、ベンダーや部品サプライヤーに新しいビジネスチャンスが訪れている。

「教育がグローバルに大きく変わろうとしていることは明白である。この変化の核となっているのは、学習ツール としてのICT導入である。」と、コンバージェンス & ニューテクノロジー コンサルタントのMike Fisherは語る。「個人のペースに合わせたより充実した学習環境を提供できることから、多くの政府が、授業へのICT導入に注目しており、1:1の学 習プログラム徹底に取り組んでゆく方針を打ち出してきている。教育投資が選挙での勝因につながることに加え、商品の低価格化・カスタマイズ化の流れにある ことからも著しい需要増が望まれている。全世界の14億人に及ぶ生徒と教師数を合わせた市場は、ベンダーにとってはまたとないビジネスチャンスと言え る。」

ハードウェアに加え、コンテンツと配信インフラは、ICT導入を効果的に成功させるための重要な鍵を握ってい ることから、電気通信事業者が教育関連の技術開発により深く関わってきている。デバイスのネットワーク接続やハードウェア及びコンテンツ提供のための資金 援助など、多方面での連携が図られている。企業が協力を惜しまない背景には、IT依存の生徒数増が長期的にはコンテンツ消費増につながるという思わくがあ る。結果的に、電気通信業界は、民間からの重要な資金源であり、今後もこの位置付けは変わらないと思われる。

Futuresourceの調べによれば、全世界の教育PC出荷台数は、中・南米での活発な市場の動きから、2011年には1,100万台を超えた。

「昨年は、国を挙げての大プロジェクトがいくつか展開された。アルゼンチンでは、Conectar Igualdadプロジェクトが2011年半ばで第2段階の目標に達し、120万台のデバイスが全国に配置された。最終段階への準備も整ってきており、 2012年も前年に類似した数字が見込まれている。国境を越えたウルグアイでは、Plan Ceibalプロジェクトが展開され、小学校(primary school)でのICT普及率は100%である。中・高等学校(secondary school)での普及率も2012年にはほぼ100%となる予定である。」

2012年以降、複数の政府入札が期待されており、多くの地域での大幅な販売増が予測されている。全世界の出 荷数は、2012年には1,200万台に近づき、2016年までには4,000万台を超えると思われる。しかしながら、実際の利用数での2016年グロー バル普及率は依然8%を下回る見込みである。

市場参入に際しては、購買等の意思決定を誰が行うかという各国の権力階層を見極めた上での戦略を練る必要がある。

「10年以上にわたり教育市場の調査を行ってきているが、地域の経済発展と学校への投資との間には相関関係が 殆ど無いことが明らかである。」と、市場アナリストのJoe Muganは語る。「ICT導入の鍵を握るのは政府の支援である。有権者の支持固めといった意図からも教育支援は推進されている。しかしながら、ドイツや 日本といった多くの経済大国は、伝統的な教え方を重視しており、その結果、学校でのICT導入は相対的に低いレベルに留まっている。ICT導入に意欲的な のは他の地域で、今年注目すべきは、トルコ・タイ・中近東などである。これらの国々では、数十億ドル規模の入札が始まると思われる。」

「ICT導入の進捗状況は、各国の意思決定の複雑さにより異なる。広域にわたるICT導入を迅速かつ容易に推 し進めることができるのは、中央政府で予算が組まれる場合だと言えよう。しかしながら、政府の体制がどうあろうとも、適切なターゲットに適切なタイミング で焦点を絞り、国柄に適した戦略で臨めば、ベンダーは大きなチャンスを手に入れることになろう。政府が一旦教育への投資を決定すれば、迅速なる履行、莫大 なる出資が期待される。くれぐれもチャンスを見逃さないことである。」

(2012年1月)
マルチプル・プラットフォームによる写真共有の一般化

Futuresource Consultingが英国と米国で行った撮影と写真共有に関するトレンド調査では、2カ国間でのカメラの所有・利用状況の類似点が目を引く。

英・米において18歳以上を対象に、撮影デバイス及び写真の保存・共有手段に関し2,000件に渡るオンライン調査を実施。

この結果、特に英国において、18〜34歳の消費者は、他のどの年齢層よりも、カメラ付き携帯電話で撮影を 行っていることが明らかになった。TwitterやFacebookといったソーシャルネットワーキングサイトを利用し簡単にイメージを共有し、スマート フォンやタブレットなどの接続デバイスからアクセスできるという利便性が評価されている。

カメラ付き携帯電話の利用が一番低いのは、55歳以上の人たちで、撮影には従来のデジタルカメラを利用している。

英・米両国の回答者の約80%が、家族や友人と一部または全ての写真を共有している。

写真を共有する手段として最も多かったのは、「実際にカメラを使って見せる」で、英国では38%、米国では 35%であった。次に「E-mailで送信する」が英国では26%、米国では34%。3番目に多かったのは、英国では「ノートパソコンやネットブックPC を使って見せる」に対し、米国では「デスクトップPCを使用する」傾向にあることがわかった。

英・米の回答者の約60%は、イメージの保存・共有・印刷にウェブサイトを利用している。最も人気のサイトはFacebookで、利用者の多くは女性である。英国ではFlickr、米国ではSnapfishが第2位につけている。

ここ数ヶ月のDropboxやGoogle+の利用数急増には目を見張るものがある。これは、Google+が2011年夏に紹介されたことによる一時的な動きかもしれない。

米国ではいわゆる「silver surfers(白髪のネットサーファー)」の動きが活発で、ウエブサイト利用者の30%以上が55歳以上である。これに対し英国では19%となってい る。55歳以上の人たちが最も好んで利用しているのは、Kodak GalleryとSnapfishである。

これらのオンラインサービスには1,000億枚以上の写真が保存されており、フォトブック購入者の内75% は、12ヶ月以内の再購入を検討している。この調査結果から、フォトブック市場には、効果的なCRM戦略(顧客との良好な関係構築)による増収の可能性が 秘められていると言える。購入を促す動機付けを与えることで新規顧客を捕らえることも重要な戦略の一つで、各社は、写真を印刷する傾向にある高年齢層に焦 点を絞り、テレビや新聞媒体を通して「想い出保存」をコンセプトとした販促キャンペーンを構築している。

(2011年12月)
2011年オンラインビデオ売上高は、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ合算で30億ドルを超える見通し

Futuresource Consultingの新レポートでは、2011年のアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ合算の有料・無料(合法)作品のオンラインビデオ視聴数は7700億ビューを超えると予測している。
アクセシビリティと使いやすさの向上が、2010年の6400億ビューから数字を伸ばした要因となったと言えよう。現在市場を独占しているのはアメリカである。
「この4カ国の2011年オンラインビデオ視聴数は前年比20%増の勢いで伸びており、売上高は30億ドルを超える見通しである。」と、シニアアナリストのMai Hoangは語る。「動画購入やレンタルも歳入の一部ではあるが、大半を占めているのはアメリカ市場で、Netflixの会員向けストリーミングサービスが主たる収入となっている。4カ国合算での売上高は、2015年までに70億ドルに近づくと予測する。」
有料での利用は伸びてはいるものの、無料視聴と比較すると、依然多くの国においてその割合は低い。また、pay TV・無料映画配信・TV番組等、他の視聴形態との厳しい競合は避けられないであろう。
ヨーロッパにおいては、アメリカのNetfilxに似た会員向けストリーミングサービスが地域ごとに始まり売上高を伸ばすと予測される。このサービスは、新規参入企業よりも、Youtube ・Apple・Netflixといった既存のサービスプロバイダによって牽引されると思われる。
今後、広告料に支えられたサービス提供が大きな役割を担い、オンラインビデオの販売・レンタル・会員制の枠を超えた収入の可能性が考えられる。
「ブランド各社がオンラインビデオ配信サービスの可能性に注目し始めたのはごく最近のことである。広告主は、TV向けに作られたコンテンツを再活用するのではなく、オンライン向けのコンテンツを開発、改良してきており、2011年の広告料による収入は前年比50%増が見込まれている。ターゲットをうまく絞った広告は消費者に受け入れられやすい。」とHoangは語る。
特にYouTubeはオンライン広告の可能性に着目しており、見たくない広告は中断できるという選択肢をも視聴者に与え、広告連動型サービスに消費者の興味を引きつけておくことに余念がない。広告料は人気度が反映する料金設定となっており、中断数が少ないほど料金は安くなる。視聴者が興味を引くターゲットを絞った広告を提供することにより、配信サービスをより魅力的にする動機付けを広告主に与えているわけである。
「変容を遂げるモバイルデバイスとオンラインビデオ市場は切り離せない。Android携帯の人気に強く後押しされたスマートフォンの2011年全世界販売台数は4.5億台を上回る見込みである。主にアプリの開発とその利用者数の伸びに牽引されたこの販売増のうねりは、スマートフォンを重要なコンテンツ配信プラットフォームとして位置付け、今ではサービスプロバイダのマルチプラットフォーム戦略には欠かせない要因である。」
「タブレットPCは、スマートフォンにもまして急成長と進化を遂げてきており、コンテンツホルダー、放送局、ハードウェアメーカーは、多くの可能性を秘めたオンラインビデオ市場に大きな関心を寄せている。」


ロシアのホームビデオ市場を活性化するデジタルサービス

Futuresource Consultingの調べによれば、オンラインビデオの高成長はロシアのホームビデオ市場全体に著しい影響を及ぼしている。デジタル視聴に牽引され2011年の市場の伸びは1000%となる見込である。

市場アナリストのFiona Hoyは、「デジタルサービスは始まったばかりであるが、衰退傾向にあるディスクの損失を相殺し、市場の活性化に拍車を掛けると期待されている。」と語る。

「オンラインでのビデオ視聴を望む人の数は増え続けており、2011年には1000億ビューが予測されてい る。有料のオンラインビデオは非常に有益なビジネスチャンスである。会員向けサービスを主な収入源としたオンラインでの売上げが、2015年までにはホー ムビデオ総売上高の30%以上を占めると予測している。」

ロシアのビデオ市場は全体的にまとまりがない。より確立した市場であるヨーロッパと同様、ディスクの販売は衰退する傾向にある一方、海賊版は広域に出回っており深刻な問題となっている。

主に複製が困難だという理由で、3Dビデオ市場への関心は比較的高い。

「3D対応ハードウェアと3D作品をセットにしての販促は好評で、3D Blu-rayビデオの卸売りの70%程度を占めている。3D Blu-rayコンボパックの需要も伸びており、消費者は70%~100%のプレミアム料金に抵抗を感じていない。」

主に3D作品の影響で、映画館の興行収入も2010年には37%の成長を見せた。チケット代は高くなっており、将来に向けた継続的な設備投資の必要性に目が向けられている。一桁台に留まると思われるが、2015年までは右肩上がりの伸びが予測されている。

ブロードバンドの高速化と普及率が鍵を握るデジタルサービスでは、ケーブルプロバイダによる継続的投資が、増 収の大きな可能性を生み出してきている。2015年には54%の家庭へのアクセスが見込まれており、これは2011年から約60%の伸びとなる。平均ダウ ンロード速度は、2011年の2.9Mbpsから2015年には10Mbpsに近づくと思われる。

ブロードバンドの高速化と接続性は、マルチプラットフォーム利用の更なる可能性へとつながり、多くのオンラインプロバイダが接続デバイス対応のサービスを積極的に打ち出してきている。

「ロシアの消費者調査によれば、パソコンでは無料視聴を好むが、同じコンテンツでも家庭の大型スクリーンで視聴可能となれば料金を支払うという結果が出ている。ハリウッドのスタジオにとっては、有料オンラインビデオサービスで増収を図る大きなビジネスチャンスと言える。」

「大手家電メーカーは、接続デバイスを利用したオンラインビデオの増収に着目しており、オンラインコンテンツ に直接アクセスできるマルチプラットフォームの提供に余念がない。ここ5年におけるスマートフォンなどのパーソナルデバイスやコネクテッドTVは著しい成 長を遂げると予測される。オンラインビデオとマルチプラットフォームを統合したビジネス投資は、メーカー並びにコンテンツプロバイダ、そして消費者にとっ て価値あるものである。」


(2011年11月)

TVを見ながらのデジタルデバイス利用者は50%

Futuresource Consultingが実施した 最新‘Living with Digital’消費者調査によれば、約50%の人たちが自宅でTVを見ながら他のデジタルデバイスを利用している。その主な理由としては、退屈を紛らわす、手持ちぶたさ、友人と連絡を取り合う為、等。10%の人は、番組に参加している気分になると答えており、エキストラの楽しみを与えるデバイスとしての特徴を示している。TVとデバイスの同時利用は、若年層に多く見られる。
今回の‘Living with Digital’消費者調査は、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツで、12歳から65+歳の2,600人以上を対象に実施。デジタルエンターテイメントの楽しみ方や使い方を6ヶ月前の傾向と比較している。
調査結果によれば、57%の人がオンラインで動画を視聴しており、その内約4人に1人が頻繁ではないがスマートフォンで視聴している。オンラインの動画視聴では、依然デスクトップPC利用者がわずかにラップトップ利用者を上回っている。
過去6ヶ月に渡りオンラインで動画を視聴している人の数は、調査を実施した全4カ国において増えている。より幅広いジャンルに渡る魅力的なコンテンツの充実と好きな時に視聴可能という要因がこの背景にある。依然80%以上の人はコンテンツを無料で楽しんでおり、この内約40%は、今後有料サービスを利用するかもしれないと答えている。有料サービスを既に利用している3人に2人以上は映画鑑賞に出費している。
ディスク購入に関しては、60%の人が依然DVDを、19%がBlu-rayを購入している。調査対象国の内DVDを最も多く購入しているのはイギリス居住者で、過去6ヶ月で1人平均6.5枚となっている。Blu-rayに関しては、アメリカがリードしており、過去6ヶ月で1人平均5.75枚を購入している。
6ヶ月前と比較すると、ドイツとフランスにおいては、Blu-rayディスク購入者の数が増えており、41%の人が6ヶ月前よりも多くの作品を購入している。
(TV・PC・携帯電話でのデジタルエンターテイメントの楽しみ方や利用状況に着目した‘Living with Digital’は、Futuresource Consultingが継続的に行ってきている独立調査プログラムで、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツにおいて毎回2,500人以上を対象に実施しています。)


Futuresource White Paper: Health of the Global CE Industry

Futuresource ConsultingがCEATEC JAPAN 2011のオフィシャルコンファレンスのインターナショナルビジネスセッションで行ったセッションの概要を取りまとめました。(PDFダウンロードのみです) Health of the Global CE Industry


(2011年10月)
CEATEC JAPAN 2011 Report

Futuresource Consulting は、長年に渡りCEATEC JAPANに来場しているが、2011年はナレッジパートナーとして初めて公式に参与した記念すべき年となった。
2011年の来場者総数は172,137名と、昨年より若干減ってはいるものの、CEATEC JAPANは、消費者向け技術・製品、コミュニケーション、ロボット工学、主要産業プロジェクトやコンセプトに重きを置いたイベントとして、キーテクノロジーや新製品の発表では世界に名立たるエレクトロニクス トレードショーと言える。
昨年は3Dがセンターステージを飾ったが、CEATEC JAPAN 2011では、メガピクセルや3D、ネットワーク接続機能の実体験に加え、今年初旬に日本が見舞われた自然災害(ひいては原子力災害)や世界的に厳しい経済情勢が反映されており、環境やエネルギーコスト削減により強い関心が向けられた。エネルギー節約、低炭素社会構築、また災害時の備えを目的とした優れたアイデアや施策が目を引き、これらの展示では共通して太陽エネルギーの活用が提案されていた。
環境問題は、エレクトロニクスやその関連業界のトレードショーにおいては目新しいテーマとは言えないが、CEATEC JAPANでの焦点の絞り方とその構想の打ち出し方には一歩踏み出したものがあった。主要企業の大半が、クリーンで再生可能なエネルギー製品やそのコンセプトを紹介していた。
日産のスマートハウス、パナソニックのサステイナブル スマートタウン構想がこの例で、燃料費削減対策に加え、災害に備えた電力自給策、そして低炭素で地球に優しい燃料への転換など、大規模なクリーンエネルギー管理技術が紹介された。
「リーフ to ホーム」システムと称された日産のスマートハウスは、天災などによる停電時に、電気自動車日産リーフの蓄電能力で一般家庭の約2日間の電力を供給できる。同様の提案は、三菱やトヨタからもなされている。
CEATEC JAPAN 2011では、家庭から車そして携帯電話にいたるまで、電力の源としての太陽光の紹介が目を引いた。
NTT DoCoMoは、日本人の放射能に対する高い関心に答え、公式見解に頼らず放射能レベルを個人で測定できる携帯ケースを発表した。
企業の社会的責任の観点からは、自立動作・介護支援を目的に開発された「ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)福祉用」をIntel とCyberdyneが共同展示していた。Cyberdyneの最高経営責任者である山海嘉之教授によれば、HALはロボット工学だけではなく、神経科学、社会学、生物学に基づいて設計されている。また、ゲームコントロールとしての可能性にも触れられていた。
社会的責任を意識した展示に加え、CEATEC JAPAN 2011では、タブレットPC・Ultra HD・3DやSONY PS Vitaといった興味深い製品も紹介されていた。
昨今、タブレットPCを取り扱っていない家電メーカーは皆無と言っていいほどで、各機種の特徴を識別するのはより困難になってきている。特にAndroidタブレットのプラットフォームとコンテンツにはその違いを見出せない。メーカーはスタイルやサイズ、処理能力やネットワークの接続性で差をつけようとしている。東芝のAndroidタブレットは、スリムで軽量なデザインに加えその性能で関心を引いていた。ベルリンのIFAで発表されたAT200とは異なりAT700は日本市場向けで、REGZAインターネットTVとのリンク、WiFi仕様で、例えば寝室や書斎・台所などでのもう一台のTVとして位置付けられる。
CEATEC JAPAN 2011では、SONYのタブレットにも人気が集まっていた。AndroidタブレットSは、平面に置いた際に人に優しい視聴角度となるユニークな涙型デザインである。
IFAではSharpが8k4kディスプレイを発表してはいたが、4k(2012年予定)と8k(2020年予定)のサービスがNHKによって既に発表されている日本市場 だけありUltra HDは話題の的であった。2012年には、標準HDTVの16倍の解像度をもつモデルがNHKの4kコンテンツサービス開始に合わせ発表される予定である。
昨年と比べ、ホーム3Dへの関心は静まってはいたものの、3Dに関しては3つの展示が脚光を浴びていた。
その一つは以前から話題を呼んでいた東芝のグラスレス(裸眼)3DTV発売予定の詳細で、一部オフレコの情報もあった。4k2k 55型モデルはHDモデルの4倍の解像度を誇り、日本では12月中旬に90万円前後(約US$12,000)で発売予定である。高価格ではあるが、価格が下がれば現行のメガネ使用モデルの売り上げに影響を及ぼすことは必須で、グラスレスTVの値下げを待つという動きにも注目が集まる。
3Dラップトップでは、SONY が2D VAIOに取り付ければ裸眼で3Dが楽しめる3Dクリップオンスクリーンを紹介していた。3Dイメージを作り上げるレンチキュラー技術が使われている。優れているのは顔認識技術を利用している点で、VAIOの内蔵カメラで利用者の動きを捉え、どの角度からも一様に3Dイメージを作り上げる。これは、年初に東芝がQosimoラップトップで発表した技術に類似している。
また、SONYの3DヘッドマウントディスプレイHMZ-T1も好評であった。2 x 0.7型のHDディスプレイが、仮想画面サイズ750型相当、仮想視聴距離約20mの劇場体験を実現している。今日まで、多くの消費者はパーソナルなホームシネマ体験を望んでいないのではないか、(例えば公共の場において)装着時に周りで何が起こっているかわからないことに不安を覚えるのではないか、もしくはその両方が(MyVuのような)ビデオアイウエアの限られた業績の原因になっているのではないかと考えられてきている。ただ明らかなことは、SONY HMZ-T1と同様の品質、またSONYに匹敵する宣伝力・販売力に支えられた製品が市場には出回っていないということである。販売価格は6万円弱の予定。
もう一つの人気商品はSONYのPS Vitaであった。PS Vitaは3Gと有機ELマルチスクリーンでバージョンアップされたPSPで、2011年12月に日本、2012年初旬にはアメリカとヨーロッパでの販売が予定されている。携帯電話でのゲーム体験とは一線を引いており(少なくともここしばらくの間は…)、5インチのPS Vitaの処理能力と画像品質はPS3に迫る(!!) また、「キルゾーンKillzone」「ワイプアウト Wipeout」といったPSタイトルも魅力である。


(2011年9月)

固定ブロードバンド市場

ラップトップやPC、インターネットTV、ゲーム機、Blu-rayプレーヤーといった各種デバイスを使ってデジタルコンテンツを楽しんでいる家庭が増え続けていることが、より高速の固定ブロードバンド接続率の伸びにつながっている。また、Wi-Fiに接続可能なタブレットやスマートフォンも固定ブロードバンド市場に少なからず影響を及ぼしていると言えよう。政府の投資により、ブロードバンドの接続率及び回線速度は全世界的に伸び続けている。特に新興国での成長率には目を見張るものがある。
家庭でのブロードバンド接続数においては、アジア太平洋諸国の接続数がその大半を占め、市場をリードする中国では、2011年末に1億5千万の加入件数が見込まれている。一方、インドでの普及は大変遅いペースである。これはインド政府が3Gモバイルネットワークの競売に力を注いでいるからで、インドにおける現在の普及率はおよそ6%と大変低く、市場に何らかの影響を及ぼすとは考え難い数字である。長期的に見ても固定ブロードバンドの普及は不透明な状況にあると言えよう。Futuresource Consultingは、インドの2015年末の普及率を12%と予測している。しかしながら、インドでは、モバイルインターターネットは強い伸びを見せており、今後もこの傾向が続くと思われる。
西ヨーロッパでは、殆どの国の普及率が極限に近づいてきており、70%~90%といった状況である。2011年のドイツ、イタリア、スペインの成長率は最高レベルの伸びになると見込まれているが、その伸び率自体は数パーセントに留まる。北アメリカでも多くの家庭で接続されており、アメリカでは70%強、カナダでは80%程度の普及率である。
ブロードバンドの回線速度では、韓国と日本が市場をリードしており、平均ダウンロード速度は約32Mb/s。2010年末には30Mb/sを誇っていた。2000年に入ってからの政府とサービスプロバイダーによる投資がこの業績を築き上げる引き金となった。ヨーロッパでは、オランダが最高速で10Mb/s。ベルギー、フランス、スウェーデンがその後に続く。アメリカでは昨年の平均速度が5Mb/sで、英国に続く。
今後、先進国においては、回線の速度がインターネット サービス プロバイダーの市場競争を激化させる要因となり、ファイバー オプティック技術に基づくインターネット通信への投資が各国政府の主要課題となるでろう。


IFAショー便り

世界的な経済不安にもかかわらず、ドイツのベルリンで開催されたIFAエレクトロニクスショーは、238,000人という過去最高の来場者を記録した。トレーダーは132,000人を越え昨年の12%増し。その内の約40%はドイツ国外から集った。今年のIFAでは、37億ユーロ強の商談が成立したと報告されている。一般消費者向けエレクトロニクス市場の人気は健在で、10月のCEATECへの期待が高まっている。
IFAで紹介された新商品の多くは、今年初めのCESで発表されており、その目玉はインターネット/スマートTVであった。TV メーカー各社は、コンテンツの魅力を呼び物にし、ヨーロッパのショーらしく、ヨーロッパ各国のニーズに適したユニークなサービスを提供しているメーカーも目に留まった。
ヨーロッパにおける主要TVメーカーであるLG、Philips、Sharpは、HTML5、CE-HTML、HbbTVといった標準基準に基づいた統一プラットフォームを共有するアプリケーションを新規に共同開発すると発表した。しかしながら、他の主要メーカーは独自の権利を有しており、この取り組みがグローバルに受け入れられるか疑問の余地は残る。
3DTVも紹介されてはいたが、インターネット/スマートTVほどの注目は集めていなかった。そんな中にありながらも話題を呼んでいたのはToshibaのグラスレス55型TV。CEATECでは、グラスレス大型TVに関し更なる発表があると期待されている。
TV部門で最も印象に残ったのは、Sharpの8K4K(横7,680 x 縦4,320画素)試作機で、一般来場者に加え、堅物のトレーダーやプレスもその興奮を隠せないでいた。
大手メーカー各社は、インターネット接続による各種デバイスでのコンテンツ共有を話題にしていた。DLNA(Digital Living Network Alliance)互換性を持つ加盟各社の製品は、家庭用・携帯用共に急増しており、ヨーロッパのDLNA対応TVシェアは、2015年までに出荷台数全体の83%を占めるとFuturesource は予測している。WiFi搭載のTVやBlu-rayプレーヤーといった家電は確実に市場を伸ばしており、インターネットに接続された家庭用機器からのコンテンツ ストリーミングが助長されるであろう。ヨーロッパでは、数社のTVインターネット接続率は既に50%近くに及ぶ。
オーディオのホールでは、Sony、Philips、Loewe、Altec Lansingをはじめ多くのメーカーがAirplayエアプレイ対応のオーディオ製品を紹介していた。
今話題のタブレットPCは、自社で販売していないメーカーも展示していたほどで、コンテンツを入手し視聴するためには欠かせないマルチメディア エンターテイメント デバイス として、またリモートコントロール デバイスとしても宣伝され、ショー全体を通しての話題となっていた。
Samsung、Toshiba、Lenovoや他の多くのメーカーが新製品を紹介していたのに加え、SONYが9.4型Sシリーズと折りたたみ式5.5型デュアルディスプレイ タッチスクリーンのPシリーズを発表し、タブレット市場に参入。Appleとの訴訟で、10.1型と7.7型がSamsungの展示ブースから撤去されたことは物議を醸した。IFAでは、無名の低価格製品が紹介されるなど、市場競争は広がりを見せてきている。2011年、ヨーロッパでのタブレット出荷数は1400万台に達するとFuturesourceは予測する。IFAには出展していなかったAppleのシェアが年末には65%に達すると思われる。


2011年米国フォトブック市場は2500万冊に達する見込み

米国の一般消費者向けフォトブックの需要は引き続き伸びており、多くの関連企業に利益をもたらしている。2010年には、2000万冊以上が販売され、前年比伸び率は25%となった。今年から来年にかけても二桁台の伸びとなり、2011年には2500万冊、2012年には2900万冊の市場が予測される。

販売数は増えたものの、ソフトカバーや小さめのフォトブック商品は市場にあふれており、競合市場が平均販売価格を引き下げてきている。多くの小売店がフォトブックを取り扱っており、Shutterfly・Snapfish・Kodak Gallery等のオンラインでの競争も激しさを増してきている。

一冊あたりの平均価格は、2015年という予測域まで下がり続けると思われるが、販売数の増加により、2011年の金額での伸び率は17%と見込まれる。

依然オンラインでの注文が大半を占めているが、徐々に店頭でのシェアが増え始めると思われる。とは言っても、2015年までの見通しでは、約75%はオンラインでの注文であろう。店頭での販売数は、フォトブック製本機器の設置数増加に伴い伸びてきており、Walmart やTargetといった量販店の一部や、CVS や Rite-Aidといった薬局チェーンでは、ドライミニラボへの総入れ替え、もしくは一部入れ替えが行なわれている。薬局チェーンWalgreensでは、フォトブックや他のフォト関連商品の印刷にXeroxのプリンターを設置している。

4"x6"サイズのフォト市場は、ソーシャル ネットワークによる画像共有や、カメラとネット接続機能を兼ね備えたモバイル端末の普及に影響を受けており、今後もこの動向を無視できない。特に、画像の共有を大きめのスクリーンででき、持ち運びが容易なタブレット端末の利用者が増えていることは、フォトブック市場への余波となるであろう。

しかしそれにもかかわらず、ユーザー インターフェース機能の改良、店頭での増産、商品のデザインやサイズの充実に支えられ、米国のフォトブック市場は引き続き右肩上がりで、2015年に向け伸び率は低くなるものの販売数は増加の道を辿ると思われる。


(2011年8月)

日本のTV市場再興に向けた新ビジネスモデル

アナログ放送終了とエコポイントが、日本のTV市場に大きな影響を及ぼした。今後は、IPコネクティビティによるオンライン ビデオ サービスへのアクセスが、需要増をもたらす要因となるであろう。
2010年、日本のTV販売台数は約倍増し、2500万台以上に及んだ。これは、地上アナログ放送から地上デジタル放送への切り替え時期であったことにもまして、政府が推進したエコポイント制度によるところが大きい。2009年5月開始のエコポイント制度は、2度に渡り延長され、2011年3月まで続いた。この制度終了に伴い、2011年には、1000万台以上の落ち込みが予測されている。2012年、2013年と、需要は若干減少すると思われるが、エコポイント導入以前の販売台数と比較すれば、少なくとも15%以上のレベルを保つであろう。2014年以降には再度上向きに転じることは想定の範囲内である。これは、フルHD・3Dレディ・LEDといった魅力的な機能が高需要を引き続き維持すると予測されるからであるが、それにもまして、IPコネクティビティが、今後の市場を大きく左右すると考えられる。
日本は、IPTVの販売においては世界をリードしており、2009年にはTV総販売台数の44%のシェアを占めた。2013年までには100%に至ると見込まれ、ヨーロッパやアメリカの2〜3年先のレベルで進んでいる。既に現在50%の日本の家庭では、IPコンテンツへTVから直接アクセスできる環境にあり、2014年までには90%以上に伸びると予測される。現在、40%〜50%のIPTV所有者が、実際にインターネットに接続していると考えられている。これは、このプラットフォームでより魅力的なサービスを提供するに値する十分な顧客ベースであると言える。
代表例が、2007年開始の有料サービス「アクトビラacTVila」(TVメーカーによる共同事業)で、現在250万人以上が利用している。映画やオンデマンドTV番組のダウンロードのみならず、ゲームやニュース、天気予報といった情報にもアクセスできる。他には「TSUTAYA TV」などがある。また、主要テレビ局は、見逃し配信を開始している。
2011年8月には、米国のオンライン ストリーミング サイトHuluが、年内に日本で動画配信サービスを開始すると発表した。待望視された初の国外進出である。世界のトップクラスであるブロードバンド平均接続速度、スマートフォン利用者数に加え、インターネットTVの高需要を誇る日本は、Huluや他のコンテンツメーカーにとって魅力的な市場と言える。
日本最大の広告代理店「電通」は、民放テレビキー5局と共同で、広告料を運営資金の一部としたVODサービスを2012年から手掛ける予定である。このサービスでは、各局サイトに個別に接続する手間が省け、一画面で多局のTV番組やコンテンツを選択し視聴できる。これまで、他の主要国と比べ、チャンネル数(番組数)が限られていた日本市場であるが、会員料(視聴料)や広告料で支えられた新しいビジネスモデルが、IPTV向けのコンテンツ配信 プラットフォームの開発を助長し、ひいてはTVの高需要維持につながるであろう。


インターネットラジオ:新ビジネスモデルが普及の鍵を握る

インターネット上だけで運営するピュアプレイ(pure-play) インターネット ラジオと音楽配信サービスの需要は引き続き高いも、収益向上への取り組みが将来の鍵を握ることになろう。
「ここ18ヶ月で、米国ではPandora(パンドラ)、英国ではSpotify(スポティファイ)といった有力なピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信会社が浮上してきており、多くの利用者から支持されている。」とFuturesource Consultingのデジタル メディア部門 シニア コンサルタントDavid Sidebottom(デイビッド・スィドボトム)は語る。「自分用に画面表示・プレイ リストをアレンジできる他、他者とも情報を共有でき、インターネットに接続可能なあらゆるデバイスからサービスを利用できる。現在、米国では、競合相手として、CM無しの有料受信サービス、サテライト ラジオSiriusXMが存在する。」
Futuresource が定期発刊している「Living with Digital」によれば、米国では38%、西欧では30%のインターネット ユーザーが、インターネット ラジオもしくは音楽配信サービスを定期的に利用している。この割り合いは2009年からあまり変化を見せてはいないが、2010年のインターネット ラジオ接続時間の総計は、前年に比べ、米国では27%、西欧では20%の伸びを示している。
「ほとんどのピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信サービスは、CM料による無料配信、もしくは低価格でのプレミアム配信といったビジネス モデルをとっている。他の音楽配信サービスは、月額最高15ドルで無制限のオン デマンド配信を提供してはいるが、現在この利用者は少ない。」
「サービスの利用を促しているデバイスは何と言っても携帯である。ピュアプレイ接続時間のおよそ半分は、iPhoneやAndroidといった人気のスマートフォン アプリからのアクセスである。現在SiriusXMがマーケット リーダーのラジオ番組が車内で楽しまれていることをはじめ、およそ70%が外出時の利用となっている。今後は、スマートフォン アプリとインターネット接続デバイス及び携帯ブロードバンドの利用増が、インターネット配信ビジネス存続の鍵を握る。」
解決すべき課題はあるものの、ピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信サービスの未来は明るく、各市場を1社か2社の有力なサービス プロバイダーが独占することになるであろうとFuturesourceは予測する。マージンの低さ、レコード会社への報酬の低さにもかかわらず、PandoraとSpotifyは、投資家から各社10億ドルの値が付けられており、この市場の強さを物語っている。長期的には、現在無料サービスを楽しんでいる多くの利用者をプレミアム有料サービスに導いていくことが必須となろう。


スマートフォン市場動向

引き続き大幅な伸びを見せているスマートフォンの需要は、携帯電話のグローバル市場を活性化させている。2011年末のスマートフォン利用台数は、2009年の倍になると思われる。2010年の携帯電話(スマートフォン&通常の携帯電話)販売総数は13億台を超えた。中でも中国とインド市場での伸びは約30%と顕著。日本・西ヨーロッパ・アメリカにおいては、一桁代の伸びに留まっている。
全市場の伸びにおいて、通常の携帯電話からスマートフォンへの移行が急速に進んでいる。Futuresourceの調べによれば、2011年の販売総数のおよそ3分の1をスマートフォンが占めると思われる。販売金額では3分の2の割合となる。アメリカとイギリスにおいては、販売総数の半数近くがスマートフォンとなろう。
昨今のスマートフォン普及の火付け役は、Google Android Operating System(アンドロイド向けグーグルサービス)とAndroid搭載携帯端末の増加である。AndroidとApple iOSの争いは、両者が横並びとなった2010年後半に激化し始めた。2010年全体としては、スマートフォン世界市場の24%をAndroid OSが、17%をiPhoneが占めている。2011年には、Androidが勢いを増し、スマートフォン市場のシェアを奪うと見られる。より多くのメーカーがGoogleモバイルのOSを取り入れ、低‐中価格のAndroid搭載機種を発表してきており、若者を中心とした幅広い層にスマートフォン市場を拡大してきている。しかしながら、その多様な端末形態が、Androidプラットフォームのコンテンツ ディべロッパーやパブリシャーに制約を与えており、Apple iOSエコシステムのような魅力的なアプリやコンテンツの作成を妨げていることは引き続き課題として残っている。
日本国内においては、2008年と2009年の販売台数の大幅な落ち込みから、2010年には5%の回復を見せた。これは、100%の伸びとなったスマートフォンの販売増によるものである。
シャープ・富士通・NECといった国内メーカーによって占められていた市場だが、2008年にApple iPhoneが参入してからは、海外メーカーの需要が急速に伸びて来ており、日本のスマートフォン市場の規模は、アメリカや西ヨーロッパに追いついてきている。Futuresourceの予測では、携帯電話総販売数のスマートフォン シェアが、2010年の25%から2011年末までには45%に伸びると思われる。
Androidのオペレーティング システムは、国内メーカーによって支持されてきてはいるものの、市場を牽引しているのはAppleで、2011年にはスマートフォン市場の3分の1を占めると思われる。


(2011年7月)

3DTV、2015年までに約40%の西ヨーロッパの家庭に

「英国においては、毎年1000万台のTVが販売されている。2500万世帯の国においてである。」と、6月16日にLondonで開催された2011 Futuresource Entertainment Summitの冒頭でFuturesource Consulting創業者の一人でありダイレクターのJim Bottoms(ジム・ボトムズ)は語った。「これはつまり、各家庭は、2年半毎にTVを1台購入しているという計算になる。」
1台目の買い替えのみならず、追加としての2台目の購入台数が含まれているとしても、非常に高いレベルでの消費である。3Dやネットワーク・コネクティビティーといった新技術が次世代TV開発に拍車を掛け、速いペースで市場に提供されていくことになるであろう。
フラットパネルは10年近く市場に出回ってはいるものの、42インチ以上が一般家庭でも購入可能な価格となったのはここ3年である。ブラウン管TVでは現実的ではなかった大画面TVが手頃な価格で購入できるようになったことで、大型フラットパネルの需要は大きく伸びた。
40インチ以上の価格は、大衆を対象にしたレベルに達しており、今後更なる需要が見込まれる。早い時期にフラットパネルを購入した消費者は、超薄型・コネクティビティー・省エネ・3Dといった機能を備えた大型モデルへの買い替えを検討している。これらの新機能搭載は、現在の買い替えサイクルの持続要因となるであろう。
「2015年までには、西ヨーロッパの約40%の家庭に3DTVが普及すると思われる。」とBottomsは語る。「接続台数としては6500万台という計算になる。新機能は、その使用の有無に関わらず、初期設定として各モデルに搭載されていくであろう。入手が限られていた3Dコンテンツも、放送局各社によって受け入れられ普及の道を辿っている。これは、3D機能搭載モデル需要増への波及効果となろう。」
2010年夏以来、全世界の放送局の3D予定番組数は3倍の伸びを見せている。
「3D Blu-rayプレーヤー市場も伸びを見せており、2015年までには西ヨーロッパの50%近い家庭に普及するであろう。昨年の3D Blu-ray作品は限られていたが、今年に入り、アメリカでは43、英国では37、ドイツでは30の作品が市場に出回っている。これらは、ハリウッド映画に留まらず、自然やドキュメンタリー作品もあり、その多様性が消費者の興味を惹いている。アメリカでは33%がハリウッド以外の作品である。


(2011年6月)
インタラクティブ・ホワイトボード市場14億ドルに

Futuresource Consultingの最新レポートによると、インタラクティブ・ホワイトボード(IWB)市場は引き続き勢いを強めており、2010年歳入計は15%の伸びを見せ14億ドルとなった。
Futuresource Consultingシニアコンサルタント Colin Messenger (コリン・メッセンジャー)によれば、「教育分野において、IWBテクノロジーは定着してきており、現在全世界では360万台が設置されている。現時点での普及率は全教室数の9%程度にすぎず、未設置の教室数は3千万以上に及ぶことから、更なる需要が見込まれ、市場の展望は非常に明るい。」
Futuresourceの四半期毎のレポートでは、「政府による入札が牽引力となり、2012年以降EMEA(Europeヨーロッパ・the Middle East中近東・Africaアフリカ)が最大の市場となる」と予測している。
アメリカでは販売のピークは過ぎたと言っても、教室普及率はUKの半数レベル35%にしか過ぎず、依然大きな市場である。「予算削減となるも、更なる需要は見込まれ、少なくともここ4年の市場の伸びは好調であろう。連邦政府からの出資は減っても、各地域の教育機関が独自にテクノロジー関連の支援金を募っている。調査によれば、地域の経済状況は、学校への投資額に直接の影響を及ぼしてはいないようである。」
この四半期において、DYMO Mimio(ダイモ ミミオ)がHeadsprout(ヘッドスプラウト)を、Pearson(ペアソン)がSchoolnet(スクールネット)を買収した。この動きから、大手メーカーが教育に重点をおいたビジネス展開を図っていることが伺え、ハードウエアのみの製造業者との違いを鮮明にしてきている。
「経済の先行きが不鮮明な状況下ではあるが、教育は国を超えて重要視されている分野と言えよう。」


(2011年4月)

インターネットラジオ:新ビジネスモデルが普及の鍵を握る

Futuresource Consultingの最新レポートによると、インターネット上だけで運営するピュアプレイ(pure-play) インターネット ラジオと音楽配信サービスの需要は引き続き高いも、収益向上への取り組みが将来の鍵を握ることになろう。
「ここ18ヶ月で、米国ではPandora(パンドラ)、英国ではSpotify(スポティファイ)といった有力なピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信会社が浮上してきており、多くの利用者から支持されている。」とFuturesource Consultingのデジタル メディア部門 シニア コンサルタントDavid Sidebottom(デイビッド・スィドボトム)は語る。「自分用に画面表示・プレイ リストをアレンジできる他、他者とも情報を共有でき、インターネットに接続可能なあらゆるデバイスからサービスを利用できる。現在、米国では、競合相手として、CM無しの有料受信サービス、サテライト ラジオSiriusXMが存在する。」
Futuresource が定期発刊している「Living with Digital」によれば、米国では38%、西欧では30%のインターネット ユーザーが、インターネット ラジオもしくは音楽配信サービスを定期的に利用している。この割り合いは2009年からあまり変化を見せてはいないが、2010年のインターネット ラジオ接続時間の総計は、前年に比べ、米国では27%、西欧では20%の伸びを示している。
「ほとんどのピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信サービスは、CM料による無料配信、もしくは低価格でのプレミアム配信といったビジネス モデルをとっている。他の音楽配信サービスは、月額最高15ドルで無制限のオン デマンド配信を提供してはいるが、現在この利用者は少ない。」
「サービスの利用を促しているデバイスは何と言っても携帯である。ピュアプレイ接続時間のおよそ半分は、iPhoneやAndroidといった人気のスマートフォン アプリからのアクセスである。現在SiriusXMがマーケット リーダーのラジオ番組が車内で楽しまれていることをはじめ、およそ70%が外出時の利用となっている。今後は、スマートフォン アプリとインターネット接続デバイス及び携帯ブロードバンドの利用増が、インターネット配信ビジネス存続の鍵を握る。」
解決すべき課題はあるものの、ピュアプレイ インターネット ラジオと音楽配信サービスの未来は明るく、各市場を1社か2社の有力なサービス プロバイダーが独占することになるであろうとFuturesourceは予測する。マージンの低さ、レコード会社への報酬の低さにもかかわらず、PandoraとSpotifyは、投資家から各社10億ドルの値が付けられており、この市場の強さを物語っている。長期的には、現在無料サービスを楽しんでいる多くの利用者をプレミアム有料サービスに導いていくことが必須となろう。


(2011年3月)

デジタルカメラ市場の展望

Futuresource Consultingの新刊「デジタルカメラ市場レポート」によれば、デジタルカメラのグローバル市場は、引き続き回復傾向にある。2009年の出荷総数は4%の落ちをみせたが、2010年は8%伸び、2011年には更に7%の伸びが予想される。

Futuresource ConsultingリサーチコンサルタントJames Wells(ジェームス・ウェルズ)によれば、世界の主要市場を網羅したこのレポートでは、需要が西欧・米国・日本といった進んだ市場から移動傾向にあることが読み取れる。現在総人口のわずか2%しかデジタルカメラを所有していないブラジル・ロシア・インド・中国(BRICs)といった経済成長の著しい国々での伸びには目を見張る。需要は、少数の富裕層に限られ、BRICs(ブリックス)諸国の平均価格は、世界平均よりも高く、価格では世界市場の25%(66億ドル)、出荷数では20%を占めている。

BRICs諸国において、最大の伸びを見せているのはブラジルである。2009年と比べ2010年の総出荷は40%の伸び。2015年までには、ブラジルの家電所有率は、BRICs諸国のうちで最高となろう。しかしながら、輸入税が高いブラジルでは、レンズ一体型カメラの20%、レンズ交換型カメラの50%程度が免税扱いとなる手段で購入されている。

80%の家庭がデジタルカメラを所有している発展市場では、既にカメラを所有している消費者をターゲットにしており、強豪のスマートフォンとの違いを打ち出しながら、アップグレードでの買い替え時期を短くするという戦略を取っている。

「デジタルカメラの主たるビジネスチャンスは、ポケットに一台ではなく、一家庭に一台としての位置づけにある。」とWellsは語る。「画像の機能・品質において、スマートフォンは、ほとんどのデジタルカメラよりも劣るが、個人的な写真撮影の楽しみを提供している。」西欧・米国・日本におけるスマートフォン所有率は、2010年の44%から2015年には74%に伸びる見込み。BRICs諸国では、同時期において、8%から24%伸びるとの予測である。レンズ一体型カメラは、HDビデオ、倍率10倍以上の高性能ズームといったプレミアム機能を強調することによって、スマートフォントの違いを築き上げてゆくであろう。

新しいコンパクト・システム・カメラ(CSC)の登場が、レンズ交換型カメラ市場を活気づけ、市場の展望を中期から長期的なものに変えてきている。レンズ一体型カメラを既に所有しているユーザーが、予想以上の割合でCSCを購入している。交換レンズ機能、スタイリッシュなボディー、簡単な操作、またDSLRと比べ小型であることが、人気の秘密と言えよう。


New!「 Home 3D Tracker Report」
2012年までに1500万台の3DTVがアメリカの家庭に

Futuresource Consulting の新レポート「Home 3D Tracker (ホーム3Dトラッカー)」によれば、家庭用3DTVの人気は主要市場での牽引力を増しており、2012年末までには1500万台に及ぶ3DTVがアメリカの家庭に行き渡るであろう。

3DTVはその風評に反し2010年初期に現れてから、各メーカーは市場での主権争いを続けている。この結果、3D機能の価格は既に著しく下がってきており、有名ブランドはより多くのTV及びBDプレーヤーへの3D搭載を試みている。最終四半期の売り上げは好調で、製造業者にとっては先行きの明るい年度末となった。しかしながら、配給会社が家電メーカーと連携し、ハードウエア購入時に3D作品を付けるという販売戦略を取ったことから、市場は品薄状態となり消費者の需要を満たせなかった。

「市場での作品数が限られたことで、3D作品の供給源として、放送業界に注目が集まった。」とFuturesource Consultingの市場アナリストFiona Hoy(フィオナ・ホイ)は語る。初期のサービスはスクリーンサイズや3D新技術に要する画質に問題があった。しかしながら、今日では家電メーカーは有料視聴のTVオペレーターと共同出資し、オリジナルの3Dコンテンツを制作している。ほとんどの共同出資契約は最長3年で、それまでには市場は一層の充実をみせよう。3Dスポーツでは、Cyfra (ポーランド) と LG 、 その他の番組では、NTV-Plus (ロシア)とPanasonic、 Sky (UK)と LGそして Panasonic、他にも DirecTVと Panasonic (USA)が連携している。ヨーロッパでは、2010年末までに、18 の広告/予告 チャネルと13の ビデオ・オン・デマンド・シリーズを含む31の 有料3D TV サービスが現れ、北アメリカでは、2の24時間チャネルと6のビデオ・オン・デマンド・サービスを含む11の3D有料テレビシリーズが始まった。

放送番組は、引き続き重要な役割を担い、3Dコンテンツを直接家庭に届けるだけでなく、消費者の意識そのものを変えてゆくであろう。英国ではSky 3Dの登場で3DTVの販売が急速に伸びた。3DTVの売り上げは、番組の登場によって著しく伸びた訳である。

「ハリーポッターやトランスフォーマーといった話題の作品がリリースされることもあり、2011年は3Dディスクの販売が大幅に伸びると予想される。」とHoyは語る。 3Dは、2010年の米国Blu-rayディスク総販売数の1%以下に過ぎないが、2015年までには25%に近づくと予想される。

視聴に際し、高価で重い3D眼鏡を必要とすることは、引き続き業界の課題として残っており、依然開発途上にある眼鏡無し自動立体型(auto-stereoscopic)3DTVへの過度なる期待は、市場の伸びを妨げる懸念要因ともなりえる。

「自動立体技術(auto-stereoscopic)が、良質な大画面での視聴を手頃な価格で消費社に提供するにいたるには、更に多くの年月を費やすであろう」とFuturesource Consultingの ダイレクターであり共同創設者のJim Bottoms(ジム・ボトムズ)は語る。技術的な課題として、視聴角度の制限、視聴に適した範囲(スイート・スポット)の制限が当面の課題と言える。スイート・スポット外では、3D効果が全く見られないか、悪くすれば反転したイメージが見え、視聴には多きな障害がある。
日本市場には、12インチと20インチの眼鏡無しに視聴可能な3DTVが出回ってはいるが、これはあくまで一人用で、他人数による大型スクリーンでの視聴には100に及ぶ視聴スポットが必要となる。仮にTV技術が整ったとしても、マルチカメラを要し、異なった制作・放送設備が必要となる実況中継番組の制作は容易なことではない。
上記は、新規の Futuresource Consulting「 Home 3D Tracker Report」からの抜粋。
調査対象国:米国・日本・西ヨーロッパ(英国・フランス・ドイツ・イタリア・スペインのデータを別々に記載)
内容:放送通信業界・番組制作会社・家電業界・映画配給会社(ホームビデオ)他の動向分析


(2011年2月)
電子書籍(E-book) 市場 200%強の伸びを見せる

サービスの充実と端末機の普及に伴い、 電子書籍市場は著しい伸びを見せ続けている。

「2010年の電子書籍世界市場は、200%強の伸びを見せ、販売数は9千万以上に及んだ。」とフューチャーソース コンサルティング(Futuresource Consulting)の市場アナリスト フィオナ・ホイ(Fiona Hoy)は語る。「金額では9億ドルに相当する。これは、世界市場の80%以上を占めた米国の伸びに寄るところが大きい。」

米国市場での急激な需要の伸びは、アマゾン(Amazon)がキンドル・ストア(Kindle store)やキンドル・アプリ(Kindle app)で打ち出した破格値での価格戦略によるところが大きい。英国においても同様の戦略が短期間試された。
今後市場は拡散し、2014年までにはアメリカ市場は世界の約半数強のシェアとなろう。

「2010年の西欧のシェアは10%近くで、英国市場がその大半を占めている。国によるばらつきが見られ、ドイツでは着実な伸びを見せているものの、スペインではCD/DVDでも見られた著作権侵害が問題となっている。」

「2010年は、イタリア・スペインを含む多くの国において、一年を通し電子書籍が市場に出回った初めての年となった。しかしながら、各国の言語での出版物が充実しておらず、サービスも限られていたことが市場の伸びを停滞させる要因となった。今後、多言語での書籍が充実し需要も増えれば、西欧の市場は急激な伸びを見せ、2014年には60億ドルを超える市場となるであろう。」

合法的な無料電子書籍(大半は著作権の期限が切れたもの)は、引き続き重要な鍵を握るであろう。米国と英国においては、有料購読の妨げになるかもしれないが、有料購読のシステムが整っていないイタリアやスペインにおいては、海賊版に代わる合法的な電子書籍が市場に秩序をもたらすと思われる。ヨーロッパにおいては、有料書籍と並んで多数の無料書籍を提供するグーグルの電子書籍サービスが、その知名度も助け大きな影響を及ぼすことになろう。更に購入した書籍を保存し、クラウド(ネットワーク)サービスによって各種の端末機からアクセスできるという便利さは、電子書籍市場の強みとなるであろう。

フューチャーソース(Futuresource)の調べによれば、2010年の米国では、年下期にアップル(Apple)が市場参入してきたにもかかわらず、アマゾン(Amazon)が他を大きく引き離しトップに立っている。また英国でも同様の状況にあった。アマゾン(Amazon)の英国市場参入は8月であったにもかかわらずである。

今後は更なるダイナミックなビジネス展開が期待される。特典やインタラクティブな要素を含んだ商品が、消費者に多様な楽しみ方を提供し、読書と娯楽の境が不鮮明になっていくと同時に、スポンサーに支えられた購読サービスが登場するであろう。


(2011年1月)
電子黒板(Interactive Whiteboard)革命引き続き加速

Futuresource Consultingの調べによれば、電子黒板ブームは世界規模での広がりを見せており、販売数は2009年に75万台、2010年には90万台に迫る勢いである。

FuturesourceシニアコンサルタントColin Messengerは語る。「現在、全世界でわずか7%に留まっている各教室への普及率は、拡大する市場の氷山の一角と言えよう。」「拡充の一途を辿る電子黒板・関連機器の普及は、一つの発信源から情報を受け取るという相対的にみて受身の学習環境からインタラクティブ(相互作用的)な環境へと進化を見せる市場に拍車をかける要因となっている。」

電子黒板は教授法に大きな変化をもたらしており、デジタル・インタラクティブ学習の可能性を広めてきていることに間違いはない。受動的な学習要素は残るものの(おそらく将来的にもなくならないであろう)、多種のマルチメディア上での表現、視覚的に充実した教材作成が可能になったことで、デジタル技術は受動的な一面にも進化をもたらしている。

インタラクティブ・ディスプレイの展望は依然明らかではないが、フラットパネル製品は徐々に市場に進出してきており、低価格なインタラクティブ・プロジェクション・ユニットへの注目度も高まってきている。多くの国では依然スタートラインにあると言え、教育現場でのインタラクティビティー(相互作用性)の展望は非常に明るい。


オンライン 携帯エンターテイメント

2010年オンライン・携帯エンターテイメント・コンテンツの消費は過去最高の伸びをみせ、世界市場は、3200億ドルに及ぶ。Futuresource Consultingの調べによれば、オンラインでの消費の伸びは23%前後、携帯メディアでの伸びは15%以上に及び、低い水準から始まったものの、パッケージメディア・映画・ケーブル/サテライト/インターネットTVの伸びは著しく加速している。

携帯とオンラインでのデジタルコンテンツ配給は伸び続け、2009年から2014年の年平均成長率は携帯16% ・オンライン24%と予測される。

昨今の携帯での伸びはスマートフォンの市場拡大に寄るところが大きい。昨年のスマートフォンの売り上げ台数はおよそ2億8千万台で56%の伸び。利用総数は5億8千台である。スマートフォンにおける市場では、ビデオ視聴・アプリ利用・インターネット利用といったマルチメディアの更なる利用が期待される。2010年の携帯からのインターネット接続回数は、全世界で2倍の伸びとなっており、タブレット市場への期待も高まっている。

2008年のアップル(Apple)によるApp Storeの開設が、携帯コンテンツの新たな市場を開き、業界に新風を吹き込んだ。他の携帯アプリサービスも始まり、ハンドセット販売業者・オペレーター・OSサプライヤー・コンテンツホルダー・出版社・ディべロッパー・広告宣伝会社等に新しいビジネスチャンスが訪れた。2010年には、100億以上のアプリがダウンロードされ、その50%以上がアップル App Storeを通しで、85%が無料であるにもかかわらず、総売上高は40億ドルを超える。2014年には、350億に及ぶアプリのダウンロード、総売り上げ170億ドルが見込まれている。

ダウンロードよりもストリーミング配信を利用する傾向がみられ、ここ数ヶ月のストリーミング配信の伸びは著しい。Youtube、オンデマンドTV、フラッシュビデオHTML埋め込みがストリーミング配信の動きを加速させている。ブロードバンドの品質向上、ビデオ圧縮技術の向上、それにもましてコンテントの充実が、ストリーミング配信をより活発なものにしてきている。この動きはビデオに限らず、オンライン・ラジオや自分仕様にカスタマイズできるSpotify やLast.fmでも主要な動きとなっている。ゲームのストリーミング配信も人気がある。


(2010年12月)
西ヨーロッパにおけるプリント・キオスク&ドライ・ミニラボの設置数増加傾向

Commentary by: Jeremy Wills, Senior Consultant / Manager - Imaging & Storage Media, Futuresource Consulting Ltd

2010年1月〜6月の西ヨーロッパにおけるフォト機器(ミニラボとインスタント・プリント・キオスク含む)の新規設置数は6,000台を超えた。
累積設置数は81,000台となり、2010年上期の販売は、ほぼ2.5%増となった。
インスタント・プリント・キオスクの設置は継続的に伸びており、ウエットからドライ・ミニラボへの緩やかな移行に伴い、デュープレックス・プリントやフォトブックといった多様な商品を顧客に提供できるようになる。

設置数は増加傾向にあるものの、メーカーが期待していたほどの数には達していない。店頭では予想に反し、買い替えを控えているようである。2010年下期から2011年上期にかけては、小規模店へ購入時の経済支援が期待されると同時に、古いウェット・ミニラボからドライへの買い替えが始まることが予測され、販売数増が見込まれる。

ドライ・ミニラボ設置数は1,800台に近づき30%増。スペイン・イタリア・英国がその65%のシェアを占める。
インスタント・プリント・キオスクの設置数は67,000台以上に伸び3.6%増。ドイツが50%近いシェアを占める。
ウエット・ミニラボは167台売れ、その内80%は代替品。全体的にみて、6%の減となっている。

英国では、87台のドライ・ミニラボが販売された。現在の設置数は400台あまり。
インスタント・プリント・キオスクは600台超販売され、8,750台をわずかに下回る設置数となっている。

西ヨーロッパ、英国とも、ブランド・シェア・トップはKodak。
店舗では、西ヨーロッパではドイツの「DM」、イギリスでは「Boots」が最大の設置数を誇る。


Blu-rayビデオディスク  2014年までに20億枚製造へ

Futuresource Consultingの調べによると、2010年のBlu-rayビデオディスク(映像コンテンツ)の世界総製造数は、4億枚を超える見通しである。2009年と比べ約60%の伸び。中でもPS3コンテンツの伸びは顕著である。

「今後更なる伸びが予測され、2014年までには20億枚を超えるであろう。」と、Futuresource Consulting ディスク&ストーレジメディア・シニアコンサルタントのMichael Borehamは語る。

2010年は、BD製造機稼働率に大きな伸びが見られた。

「2010年10月〜12月の製造機稼働率は、米国では80%、英国では75%となろう。現時点では製造許容量に見合う稼働率であるが、BDプレーヤの普及、ディスクの低価格化により需要の伸びの加速が見込まれるここ数年の動向を視野に入れ、製造に支障を来たさぬよう2011年には更なる設備投資が必要となろう。」とBorehamは語る。

「需要増による稼働率アップで製造量は増すであろう。映画BDの更なる拡販に努める一方、在庫不足による販売ロスを回避するため、フィルム・スタジオは広がる需要に見合う在庫確保、小売業者は品揃えの充実を図ることに余念がない。」

Futuresource Consultingマーケット・アナリストFiona Hoyは更に付け加えて、「ディスク市場はハードウエア(プレーヤ&スクリーン)市場との連携関係にある。3D BDタイトルの発表がこれに更なる影響を及ぼしている。3DはBDに適しており、映像メディア市場に消費者の興味を引きつけておく長期的なチャンスと言えよう。2012年から3Dの需要が更に増し、BDの更なる増販を促すであろう。視聴機器との販売提携戦略は既に見られ、現在「Avatar」はPanasonic、「How to Train Your Dragon」はSamsungのTV購入者のみ入手可能である。

Futuresource Consulting2010年11月発行の「Blue-rayディスク複製業界レポート」では、米国・東西ヨーロッパ・カナダ・メキシコ・日本・アジア・アーストラリア・南アフリカの現況と今後の展望について言及している。


(2010年11月)

3D TV出荷の伸び、HD TVより顕著

Futuresource Consulting の最新レポートによれば、3D TVの価格がモデルによっては昨年比40%減となるなどの影響もあり、家庭用3D対応機器の出荷が好調である。HD TV導入時の動向と比べ、3D TV初年の伸びは著しい。

Futuresource Consultingは、2010年の3D TVの総販売数(グローバル)が400万台を超えると予測している。西ヨーロッパ単独でも、2010年に120万台、2011年には300万台を超え、米国では、2011年には500万台を超えると予測している。
「プレミアム・ブランドとされる家電メーカーは、引き続き3D TVによって他社との差をつけ、ブランド価値を増すであろう。」と、Futuresource ConsultingのBill Foster(シニア・テクノロジー・コンサルタント)は語る。「アクティブ・マトリクス駆動方式に、安価な3Dチップをはめ込むことが可能になったことで、3D TVの価格を抑えながらも製造マージンに余裕を持つことができるようになった。シネマで使われているパッシブ・マトリクス駆動方式は、偏光フィルタを必要とするため、ここしばらくは家庭用として製造するには高価であろう。また、1080ピクセルでは左目と右目の画像に分離するため3Dをフルに楽しむことができない。」

スクリーン・サイズ、厚さ、画質といった旧来の特徴が最高レベルに達しながら引き続き必需品たるTV市場では、3D対応機能は、価格競争にとどまらず、インターネット接続対応、省エネといった機能と合わせての特徴となろう。

「業界の楽観視を含んだ東芝のグラスレス3D TVの発表ではあるが、現行モデルの買い控えを招くかもしれない。しかしながら、Futuresource Consultingの調査によれば、家庭用大型スクリーンのオート・ステレオスコピック技術採用には少なくとも4年を要し、一般消費者向けに価格が安定するには更に数年を要する。」

とFosterは語る。

一人の利用者が至近距離で楽しむ小型スクリーンにおいては、オート・ステレオスコピック3D装置の市場は成り立つ。現在最も注目されているのは2011年初旬に発売が予定されている3.53インチのNintendo 3DSである。しかしながら、この技術を居間用の大型サイズに採用するのは難解であるというのが、小型ディスプレー開発者たちの見解である。 


 

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